分類: 哺乳類 > 有袋目 > コアラ科 生息地: オーストラリア東部のユーカリ林に生息し、特にクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州の森林地帯に分布する。 体長: 約60〜85センチメートル 体重: 約4〜15キログラム(個体や季節による変動あり) 寿命: 野生で約10〜13年、飼育下で15年以上生きることもある。 食性: 主にユーカリの葉を食べる偏食性。ユーカリの葉は毒性があり消化が難しいが、特殊な腸内細菌の助けで分解する。 習性: 夜行性で、昼間はほとんどの時間を木の上で眠って過ごす。単独性が強く縄張りを持つが、繁殖期は例外。 特徴: ふわふわの灰色の毛と大きな丸い耳が特徴。強い爪で木にしっかりとつかまり、ゆっくりとした動きでユーカリの葉を食べる。 天敵: 天敵は主にオオカミやワラビーなどの大型肉食獣、または人間による森林破壊や車との衝突などが大きな脅威。 豆知識: コアラは哺乳類でありながら「有袋類」であり、子どもは生まれてすぐ母親の袋の中で数ヶ月過ごす。また、一度に非常に少ない水分しか摂らず、ほとんどの水分を食事の葉から得ている。 その他: 繁殖は季節によって決まり、オスは特徴的な低いうなり声でメスにアピールする。現在は生息地の減少により保護対象となっている。
分類: 哺乳類 > 有袋目 > カンガルー科 生息地: オーストラリア大陸全域の開けた草原、サバンナ、開けた森林や乾燥地帯。赤カンガルーは内陸の乾燥地に多く、東部の灰色カンガルーは沿岸部や草地に分布する。 体長: 種により差が大きいが、胴長およそ0.6〜1.6メートル、尾長は0.6〜1メートル前後。 体重: 小型種で約10〜18kg、大型種(赤カンガルー)の雄は50〜90kgに達することがある。 寿命: 野生で約6〜12年、飼育下では15年以上生きる例もある。 食性: 主に草食性で草や低木の葉、若芽を摂取。乾季には水分が少ない植物でも効率よく栄養を得る適応がある。 習性: モブ(群れ)と呼ばれる集団で社会生活を送り、跳躍による移動を行う。後肢と尾を使って高速かつエネルギー効率良く長距離移動が可能。活動時間は種や季節で異なり、薄明薄暮に活発になることが多い。 特徴: 強力な後肢と大きな腱による跳躍能力、頑丈な尾によるバランスと支持。雄同士は立ち上がって前肢で押し合い、蹴りを用いる争いをすることがある。 繁殖: 妊娠期間は短く約30〜36日。胚休止(着床遅延)を行う種もあり、生まれた極めて未熟な幼獣(ジョーイ)は母親の袋(育児嚢)で数か月かけて成長する。 天敵: 成獣ではディンゴや人間(狩猟・交通事故・生息地破壊)が脅威、幼獣は猛禽類や大型肉食獣に襲われることがある。 保全状況: 種によって差があり、赤カンガルーのように個体数が安定している種もあれば、生息地の改変で局所的に減少する種もある。 豆知識: カンガルーは後ろに歩けないため、オーストラリアの国章に採用されている。跳躍による移動は非常に効率的で、腱の弾性を利用してエネルギーを節約している。
分類: 哺乳類 > 有袋目 > ウォンバット科 生息地: オーストラリア南東部およびタスマニア島の森林、低山地、草地。柔らかい土壌のある場所に複雑な巣穴(トンネル網)を掘って生活する。 体長: 約70〜120センチメートル(頭胴長) 体重: 約20〜35キログラム(種や個体差あり) 寿命: 野生で約5〜15年、飼育下では20年以上生きることがある。 食性: 草や根、樹皮、根茎などの植物を主に食べる草食性。消化に時間をかけることで栄養を効率よく抽出する。 習性: 夜行性または薄明薄暮性で単独行動を好む。強力な前肢で穴を掘り、複雑なトンネルや巣穴を作る。縄張り性が強く、行動範囲内で餌を採る。 特徴: がっしりした体格と短い四肢、鋭い前肢の爪で掘削に適応。育児嚢は後方開口式であり、掘る際に子が土で埋まらない構造になっている。特有の立方体状の糞をすることで知られる。 繁殖: 年に1回程度の繁殖サイクルが一般的で、短い妊娠期間の後に非常に未熟な幼獣が生まれ、袋内で成長する。 天敵: ディンゴ、犬、猛禽類、また人間による土地改変や車両事故が脅威となる。 保全状況: 多くの種は比較的安定しているが、ノーザンヘアリーノーズドウォンバットなど希少種は保護対象となっている。 豆知識: ウォンバットの糞が立方体なのは有名で、腸の形状や水分調整の仕組みが影響しているとされる。立方体の糞はマーキングに適し、糞を積み上げて領域を示す行動が観察される。